目次
Power Appsとは
- データソースの種類
- データソースとの連携
- アプリケーションの構成
- 開発環境とライセンス
ハンズオン手順
- データソースの準備
- アプリケーションの作成
- アプリケーションの保存
- アプリケーションの動作確認
- アプリケーションの構造
まとめ
PowerAppsとは
本連載では全3回にわったてMicrosoft Power Appsと様々なデータソースとの連携方法について解説していきます。
PowerAppsとは
Microsoft Power Appsはローコードでアプリケーションを作成できるMicrosoft 365のクラウドサービスです。このPower AppsではMicrosoft製品に限らず様々なデータソースと連携してデータ操作を行うアプリケーションを簡単に作成することが可能となっています。
- データソースの種類
Power Appsでは様々なデータソースが利用可能です。
(1) Microsoft製品
Excelファイル、SharePointリスト、AzureSQLServer、Dataverse、CosmosDBなど
(2) Microsoft製品以外
Gmail、Twitter、Salesforce、Slack、Dropboxなど
- データソースとの連携
Power Appsでは、コネクタを利用してさまざまなサービスと連携させることができます。
コネクタの概要
https://docs.microsoft.com/ja-jp/connectors/connectors
コネクタはPower Appsのアプリケーション内でも作成できますが、Dataverse、SharePoint、Excel(テーブル)、SQL Serverへの簡単なデータ連携の場合はPowerAppsのテンプレートからコネクタを含めてPower Appsのアプリケーションの作成が可能です。
本連載の第1回目ではPower Appsのテンプレートを用いて、Power AppsとSharePointリストと連携した簡単なアプリケーションを作成していきます。
- アプリケーションの構成
作成するアプリケーションの構成は以下の通りです。
今回はPower AppsとSharepointリストを使用して、Power Apps からSharepointリストをデータ操作するアプリケーションを作成します。
- 開発環境とライセンス
今回作成するアプリケーションではSharepointとPower Appsを使用します。
Sharepointは法人向けのMicrosoft 365( Office 365 )アカウントで利用が可能です。またPower AppsはPower Apps内で利用する機能によってライセンス形態が異なりますが、今回作成するアプリケーションでは、 Sharepointと同様に法人向けのMicrosoft 365( Office 365 )アカウントがあれば利用できます。
ハンズオン手順
- データソースの準備
今回はSharePointリストのテンプレート「アセットマネージャー」のリストを用います。
以下の手順でSharePointリストの作成していきます。
① 「https://www.office.com/」の画面で「サインイン」を押下してMicrosoft 365( Office 365 )アカウントでOffice365にログインします。
② Microsoft 365( Office 365 )アカウントを入力して、「次へ」ボタンを押下する。
③ パスワードを入力して、「サインイン」ボタンを押下する。
これでOffice365のホーム画面が表示されました。
次にSharepointのサイトを作成していきます。
なお、既存のSharepointサイトを利用する場合はこの手順はスキップしてください。
④ Office365のホーム画面の左上の「アプリ起動ツール」ボタンを押下してアプリの「SharePoint」を選択する。
⑤ 「SharePoint」のホーム画面で「サイトの作成」を押下して「チームサイト」を選択する。
⑥ サイト名を入力して「次へ」ボタンを押下する。
⑦ サイトのメンバーを追加して「完了」ボタンを押下する。
- データソースの準備
これでSharePointサイトが作成されました。
さらに作成したSharePointサイト内に以下の手順でSharePointリストの作成していきます。
⑧ SharePointサイトのメニューで「新規」⇒「リスト」を押下する。
⑨リストのテンプレートから「アセットマネージャー」を選択して、「テンプレートを使用」を押下する
⑨「名前」を入力して「作成」ボタンを押下する。
これでSharePointリストが作成されました。
- アプリケーションの作成
次にPowerAppsのアプリケーションをテンプレートを用いて作成していきます。
① Office365のホーム画面から左上の「アプリ起動ツール」ボタンを押下してアプリの「すべてのアプリ」を選択し、「Power Apps」を選択してPower Appsを起動させます。
次にPowerAppsのアプリケーションをテンプレートを用いて作成していきます。
① PowerAppsのホーム画面で「SharePoint」を選択する。
②「新規」タブの「接続」でSharePointの接続アカウントを選択し、「SharePointサイトに接続」欄にSharePointサイトのURLを入力して「移動」ボタンを押下する。
※ SharePointサイトのURLはSharePointサイトのホーム画面で表示されるURLとなります。
③「一覧の選択」で接続先のSharePointリストを選択して「接続」を押下する。
これでSharePointリストと連携したPowerAppsのアプリケーションが作成されました。
しかも、このアプリケーションはSharePointリストのデータ操作(CRUD)の機能も既に実装されています。
※ CRUDとは、データ操作の基本機能となるCreate(生成)、Read(読み取り)、Update(更新)、Delete(削除)の総称です。
このアプリケーションをさらにカスタマイズすることも可能ですが、既にデータ操作(CRUD)の機能を備えているのでこの状態でもアプリケーションとしては必要十分と考えるユーザは多いのではないでしょうか。
アプリケーションの保存
作成したアプリケーションは以下の手順で保存できます。
① メニューの「ファイル」を押下する。
②「名前を付けて保存」画面で「クラウド」を選択し、ファイル名を入力して「保存」ボタンを押下する。
アプリケーションの動作確認
PowerAppsにはアプリケーションの動作確認ができるプレビュー機能があります。
プレビューは開発画面で「プレビュー」ボタンを押下するとプレビュー画面が起動します。
今回作成したアプリケーションは「一覧画面」「詳細画面」「編集画面」の3つの画面で構成されています。
早速、プレビューを起動してみましょう。
① 一覧表示
アプリケーションの起動時は「一覧画面」が表示されます。
なお、現在はSharePointリストにデータが登録されていないので、「一覧画面」にはまだデータが表示させません。
PowerAppsにはアプリケーションの動作確認ができるプレビュー機能があります。
プレビューは開発画面で「プレビュー」ボタンを押下するとプレビュー画面が起動します。
今回作成したアプリケーションは「一覧画面」「詳細画面」「編集画面」の3つの画面で構成されています。
早速、プレビューを起動してみましょう。
① 一覧表示
アプリケーションの起動時は「一覧画面」が表示されます。
なお、現在はSharePointリストにデータが登録されていないので、「一覧画面」にはまだデータが表示させません。
② データ登録
SharePointリストにデータを登録しましょう。
「一覧画面」の右上の「+」ボタンを押下して「編集画面」へ遷移します。
「編集画面」で各項目に入力して右上の「✓」ボタンを押下するとSharePointリストにデータが登録されて「一覧画面」へ遷移します。
「一覧画面」では登録したデータが表示されました。
SharePointリストを確認するとデータが追加されていることが確認できます。
③ データ編集と削除
次に「一覧画面」で登録したデータを選択すると選択したデータの「詳細画面」へ遷移します。
「詳細画面」では選択したデータの詳細が表示されます。
また「詳細画面」で「削除」ボタンを押下するとデータ削除、「編集」ボタンを押下して「編集画面」でデータ編集が可能となっています。
④ プレビュー終了
プレビューは画面右上の「×」ボタンを押下すると終了してPowerAppsの編集画面に戻ります。
- アプリケーションの構造
では今回作成したアプリケーションの構造を簡単に見ていきましょう。
① 画面構造
PowerAppsの開発画面の左のメニューから「ツリービュー」を選択します
「ツリービュー」内には「BrowseScreen1」(一覧画面)、「DetailScreen1」(詳細画面)、「EditScreen1」(編集画面)の3つの画面があります。
さらに各画面は階層的にGUIパーツが設置されていることが分かります。
画面内にGUIパーツを選択する場合は画面左のメニューから「挿入」を押下して、挿入するパーツを選択します。
② データ連携
次にSharePointリストのデータ連携はどのように行っているでしょうか。
画面左のメニューから「データ」を押下すると、SharePointリストとデータ連携をする「コネクタ」が作成されています。
例えば「DetailScreen1」(詳細画面)では「DetailForm1」(ディスプレイ)のプロパティ「データソース」でこのデータソースを利用していることが分かります。
今回はPowerAppsのテンプレートを用いてアプリケーションを作成したので「コネクタ」も自動で生成されていますが、PowerAppsで空の状態からアプリケーションを作成する場合はこのコネクタも作成して、データ連携するGUIパーツと接続を行うことになります。
③ ロジック(コーディング)
PowerApps内の各ロジックについては簡単なロジックならGUIパーツの「プロパティ」で設定することが可能です。
複雑なロジックの場合は「詳細設定」で「PowerFx」という言語(Excel関数に近い記述方法)でコーディングしていくことになります。
今回作成したアプリケーションはPowerAppsでのデータ操作(CRUD)の方法を学ぶ上で最適なサンプルとなっています。
もしPowerAppsでさらに複雑なことを行いたい場合はまずこのアプリケーションの構造を理解することをお勧めします。
まとめ
今回はプログラムの記述を一切しないノーコードでSharePointリストをデータ操作(CRUD)するアプリケーションが作成できました。
このようにデータソースと連携したアプリケーションを簡単に作成できることがPowerAppsのメリットです。
次回はPowerAppsで空の状態からアプリケーションを作成して「コネクタ」を用いてSQLServerとデータ連携する方法を解説します。
「掲載日:2022年6月1日」
【第2回】データ連携(Azure SQL Database編)
【第3回】データ連携 (Cosmos DB編)