第4回では以下の内容をご説明します。
1. はじめに
第4回では、実際に弊社で行った製薬会社における講演会集計レポートの自動化事例を紹介します。
また、サンプルデータを用いて、実際にデータ取込から加工、可視化、レポート作成の一連の流れをご紹介します。
2. Power BIを用いたレポート作成
データフロー(Gen2)で加工・集計したデータをPower BIを使って可視化し、以下のような講演会集計レポートの作成を行います。
レポート作成の流れは以下の通りです。
2-1. モデル レイアウト画面への遷移方法
項目の書式設定を行うため、モデル レイアウト画面へ遷移します。
モデル レイアウト画面では、テーブル項目の書式設定やリレーションシップの作成等ができます。
2-1-1. ワークスペースのレイクハウス配下にある、型が「SQL 分析エンドポイント」の項目を開きます。
2-1-2. 「モデル レイアウト」をクリックすると、モデル レイアウト画面が開きます。
2-2. 項目の書式設定
event_summary_reportテーブルの項目に書式設定を行います。
レポートに表示される数値や割合に対して、3桁区切りのカンマやパーセンテージ形式等を設定していきます。
2-2-1. 「MRフォロー数」を選択すると、画面右側にプロパティが表示されます。この項目には、3桁区切りのカンマを表示させたいため、「桁区切り記号」を”はい”へ変更します。
2-2-2. 「アンケート満足率」を選択し、画面右側のプロパティ画面で「パーセンテージ形式」を「はい」へ変更します。もしくは、「書式」を「パーセンテージ」へ変更します。
2-2-3. 2-2-1 もしくは、2-2-2の手順を踏んで下記5項目の書式設定をします。
桁区切り記号:[アンケート回答者数]、[アンケート満足者数]、[参加者数]
パーセンテージ形式:[アンケート回答率]、[フォロー実施率]
2-3. レポート作成画面への遷移方法
レポート作成の準備が整ったため、作成画面へ遷移します。
レポート作成画面では、既定のビジュアルを使用して、データの可視化ができます。
2-3-1. モデルレイアウト画面左上の「報告」→「新しいレポート」の順にクリックします。
2-3-2. レポート作成画面が開きます。
2-4. レポート作成方法
画像のようなビジュアル作成やスライサーを配置し、各講演会の結果を示すレポートを作成していきます。
※色合いなどの仕上げ部分は、2-5. でご説明します。
※レポート画面の各部分名称
Ⓐ リボン
Ⓑ レポートキャンバス
Ⓒ フィルター ウィンドウ:「>」でウィンドウの表示/非表示ができます
Ⓓ 視覚化 ウィンドウ:「>」でウィンドウの表示/非表示ができます
Ⓔ データ ウィンドウ:「>」でウィンドウの表示/非表示ができます
2-4-1. ドーナツグラフを追加する
以下のようなドーナツグラフを作成していきます。
2-4-1-1. 視覚化 ウィンドウの一覧から「ドーナツグラフ」をクリックします。
2-4-1-2. データ ウィンドウにあるevent_summary_reportテーブル内のフィールドを視覚化 ウィンドウにあるフィールドにドラッグし、集計方法を選択します。
値:
· [内科_参加者数 の合計]
· [泌尿器科_参加者数 の合計]
· [その他_参加者数 の合計]
※ドラッグの方法
※集計方法を変更する場合は、視覚化 ウィンドウにある変更したいフィールドの「∨」をクリックして選択します。
2-4-1-3. 凡例の名称を変更します。
ドーナツグラフが選択された状態で、視覚化 ウィンドウの値にある[内科_参加者数 の合計]項目をダブルクリックします。編集状態になるため、名称を「内科」へ変更します。その他の項目も同様に、「泌尿器科」と「その他」へ変更します。グラフに反映されたことを確認します。
2-4-1-4. タイトルを変更します。
ドーナツグラフが選択された状態で、視覚化 ウィンドウの「ビジュアルの書式設定」→「全般」→「タイトル」の順にクリックします。
テキスト:”参加者数”(「B」ボタンでタイトルを太字へ変更)
2-4-1-5. 上記2-4-1-1.~2-4-1-4.の手順を繰り返し、タイトルが[アンケート回答者数]、[満足者数]、[フォロー数]となるように、各科それぞれの合計でドーナッツグラフを3つ作成します。
※ビジュアルを追加する際は、何もないところをクリックするなどしてビジュアル選択を解除すると新規追加されます。
追加後、以下のようになります。
2-4-2. カードを追加する
以下のようなカードを作成していきます。
2-4-2-1. 視覚化 ウィンドウの一覧から「カード」をクリックします。
2-4-2-2. データ ウィンドウにあるevent_summary_reportテーブル内のフィールドを視覚化 ウィンドウにあるフィールドにドラッグし、集計方法を選択します。
フィールド:「参加者数 の合計」
2-4-2-3. 上記2-4-2-1.~2-4-2-2.の手順を繰り返し、集計方法が合計となるように[アンケート回答者数]、[満足者数]、[フォロー数]のカードを3つ作成します。
追加後、以下のようになります。
2-4-3. スライサーを追加する
以下のようなスライサーを作成していきます。
2-4-3-1. 視覚化 ウィンドウの一覧から「スライサー」をクリックします。
2-4-3-2. データ ウィンドウにあるevent_summary_reportテーブル内のフィールドを視覚化 ウィンドウにあるフィールドにドラッグします。
フィールド:「イベント名」
2-4-3-3. スライサーの設定を変更します。
スライサーが選択された状態で、視覚化 ウィンドウの「ビジュアルの書式設定」→「ビジュアル」→「スライサーの設定」の順にクリックします。
スタイル:「ドロップダウン」
選択項目:「単一選択」
追加後、以下のようになります。
2-4-4. ゲージを追加する
以下のようなゲージを作成していきます。
2-4-4-1. 視覚化 ウィンドウの一覧から「ゲージ」をクリックします。
2-4-4-2. データ ウィンドウにあるevent_summary_reportテーブル内のフィールドを視覚化 ウィンドウにあるフィールドにドラッグし、集計方法を選択します。
値:「アンケート満足率の合計」
2-4-4-3. タイトル、サブタイトルを変更します。
ゲージが選択された状態で、視覚化 ウィンドウの「ビジュアルの書式設定」→「全般」→「タイトル」の順にクリックします。
タイトル テキスト:”アンケート満足率”
サブタイトル テキスト:”満足者数÷アンケート回答者数”
2-4-4-4. 上記2-4-4-1.~2-4-4-3.の手順を繰り返し、「タイトル」が[アンケート回答率]、[フォロー率]、「サブタイトル」が[アンケート回答者数÷参加者数]、[フォロー数÷参加者数]となるように、ゲージを2つ作成します。
追加後、以下のようになります。
2-4-5. レポートを保存する
一旦レイアウトが完成したため、レポートを保存します。
2-4-5-1. リボンの「ファイル」→「保存」の順にクリックします。
2-4-5-2. 保存するワークスペースを選択し、レポートの名前を入力して「保存」をクリックします。
例)”Power BI Hands-On”
2-4-5-3. 「レポートが保存されました」と表示が出ます。
2-4-6. レポートの表示設定を変更する
初めて保存した際は、レポート画面が編集 ビューから読み取り ビューに変わっています。
リボンの「編集」をクリックします。
※ブラウザのウィンドウサイズによっては「編集」ボタンが隠れている恐れがあります。その場合は、メニューバーの「…(その他のオプション)」をクリックし、「編集」を選択します。
2-5. レポートを仕上げる
視覚化 ウィンドウの各ビジュアルの書式設定を使用することでレポートをカスタマイズすることができます。グラフの色や値表示の設定を変更していき、レポートを仕上げます。
2-5-1. ドーナツグラフの書式設定をする
· 値表示の書式設定
ドーナツグラフが選択された状態で、視覚化 ウィンドウの「ビジュアルの書式設定」→「ビジュアル」→「詳細ラベル」→「表示単位」の順にクリックします。
例)表示単位:”なし”
· 色の書式設定
ドーナツグラフが選択された状態で、視覚化 ウィンドウの「ビジュアルの書式設定」→「ビジュアル」→「スライス」の順にクリックします。
「テーマの色」もしくは「その他の色...」で変更可能です。
例)色(「その他の色...」の16進部分に下記をペースト)
・内科:”#3257A8”
・泌尿器科:”#37A794”
・その他:”#8B3D88”
· 凡例の書式設定
ドーナツグラフが選択された状態で、視覚化 ウィンドウの「ビジュアルの書式設定」→「ビジュアル」→「凡例」の順にクリックします。
例)位置:「左寄せ中央揃え」
設定完了後、以下のようになります。
2-5-2. カードの書式設定をする
· 値表示の書式設定
カードが選択された状態で、視覚化 ウィンドウの「ビジュアルの書式設定」→「ビジュアル」→「吹き出しの値」の順にクリックします。
例)フォントサイズ:”20”
表示単位:「なし」
· カテゴリ ラベルの書式設定
カードが選択された状態で、視覚化 ウィンドウの「ビジュアルの書式設定」→「ビジュアル」の順にクリックします。
例)カテゴリ ラベル:「無効化」
設定完了後、ドーナツグラフの空白部分へドラッグし、以下のようになります。
2-5-3. ゲージの書式設定をする
· 色の書式設定
ゲージが選択された状態で、視覚化 ウィンドウの「ビジュアルの書式設定」→「ビジュアル」→「色」→「塗りつぶしの色」の順にクリックします。
「テーマの色」もしくは「その他の色...」で変更可能です。
例)塗りつぶしの色:”#3257A8”
設定完了後、以下のようになります。
2-5-4. テキスト ボックスでタイトルを追加する
ペインの「テキスト ボックス」をクリックします。
キャンバス上にテキスト ボックスと設定画面が表示されます。タイトルを入力し、フォントなどを設定します。
例)タイトル:”講演会アンケート集計”
フォント サイズ:「24」
フォント 書式:「太字」
その他の設定は、テキスト ボックスが選択された状態で、書式設定テキスト ボックスから可能です。
2-6. 完成図
以上でレポートが完成です。
3. 最後に
第4回では、講演会(製品プロモーション活動)集計レポートの自動化事例における、 レポート用データからPower BIで可視化を行い、レポートとして仕上げる手順をご紹介しました。
第5回では、Microsoft FabricのCopilot機能の概要や利用するための前提条件・設定方法、メリット・デメリット、Data FactoryやPower BIでの使用例などについてご紹介します。
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