本シリーズの構成は以下のようになっています。
- 【第1回】インフラリソースの準備編(※ 本記事)
- 【第2回】アプリ構築編
- 【第3回】Azure Logic Apps の連携編
インフラリソースの準備編
本連載では社内文書データを利用したChatGPTシステムの構成や設定手順について説明します。
<構成図>
第1回:インフラリソースを作成する
目次
f. Azure AI services | Azure OpenAI
1. Resource Groupsのリソースを作成
リソースグループは、複数のリソースを管理するためのコンテナのようなものです。リソースグループを使用することで、その中に含まれるリソースを効果的に一元管理できるようになります。
1) ホーム - Microsoft Azureへログインします。
a. サブスクリプションの追加をされていない方は先にサブスクリプションの追加をしてください。
2) 上部にある検索欄より「リソースグループ」を入力し検索。。リソース作成画面に遷移します。
3) 左側の「+作成」をクリックしてリソースを作成します。
a. リソースグループ、リージョンはご自身の要件に応じて変更してください。
b. タグの設定は不要です。
c. 命名などを確認した後、「確認および作成」ボタンを押下してリソースを作成します。
2-a. App Service Planのリソースを作成
App Serviceプランは、ウェブサイトやアプリをクラウド上で動かすための場所で、ウェブサイトの作成や動作を助けるAzureのサービスです。セキュリティやコスト管理も提供します。
1) 上部にある検索欄より「App Service プラン」を入力し検索。。リソース作成画面に遷移します。
2) 左側の「+作成」を押下してリソースを作成します。
3) オペレーティングシステムや地域、価格プランはご自身の要件に応じて変更してください。
a. 価格プランは例としてBasicを選択しています。
b. 参考:App Service の料金 | Microsoft Azure
4) 命名や地域などを確認した後、「確認および作成」ボタンを押下してリソースを作成します。
2-b. App Serviceのリソースを作成
App Serviceは、ウェブサイトやアプリをクラウド上で運用するためのAzureサービスで、使いやすく、スケーラブルなホスティングを提供します。
1) 上部にある検索欄より「App Service」を入力し検索。リソース作成画面に遷移します。
2) 左側の「+作成」より「Webアプリ」をクリックしてリソースを作成します。
a. App Service Planと同じリージョンを選択することで、先ほど作成したApp Service Planに価格プランが依存するようになります。
3) 本構成では Dockerfileを作成し、それを後で説明するAzure Container Registryにプッシュします。なので構成は「Dockerコンテナー」を選択します。
a. App Service Plan同様、名前やネットワークなどはご自身の要件に応じて変更してください。
4) 命名やオペレーティングシステムなどを確認した後、「確認および作成」ボタンを押下してリソースを作成します。
2-c. Azure Cognitive Searchのリソースを作成
Azure Cognitive Searchは、テキストデータの強力な検索と分析のためのクラウドベースのサービスです。構築からデータの探索まで、高度なテキストデータ処理をサポートします。
1) 上部にある検索欄より「Cognitive Search」を入力し検索。リソース作成画面に遷移します。
2) 左側の 「+作成」をクリックしてリソースを作成します。
3) 本アプリではAzure Cognitive Searchのストレージはそこまで多くないのでFreeプランにして「確認および作成」でリソースを作成します。
a. 参考: Azure Cognitive Searchの料金 | Microsoft Azure
4) 命名や価格レベルなどを確認した後、「確認および作成」ボタンを押下してリソースを作成します。
2-d. Azure Container Registryのリソースを作成
Azure Container Registry (ACR) は、Dockerコンテナイメージを保存、管理、および配信するためのAzureクラウドサービスです。アプリケーションやサービスのコンテナ化とデプロイメントを支援し、セキュリティ、スケーラビリティ、および管理の面で優れた機能を提供します。
1) 上部にある検索欄より「コンテナーレジストリ」を入力し検索。リソース作成画面に遷移します。
2) 左側の「+作成」を押下してリソースを作成します。
3) Pricing Planは例としてBasicを選択しています。次に「確認および作成」でリソースを作成します。
a. 参考:Azure Container Registryの料金 | Microsoft Azure
4) 命名や価格帯を確認した後、「確認および作成」ボタンを押下してリソースを作成します。
2-e. Azure Logic Appsのリソースを作成
Azure Logic Appsは、ビジネスプロセスやワークフローの自動化を容易にするクラウドベースのサービスです。さまざまなアプリケーションやサービスを連携させ、トリガーとアクションを定義して、タスクの自動実行やデータのフローを設定できます。
1) 上部にある検索欄より「ロジックアプリ」を入力し検索。リソース作成画面に遷移します。
2) 左側の「+作成」をクリックしてリソースを作成します。
3) 例として公開は「ワークフロー」を選択しています。
4) 命名や地域を確認した後、「確認および作成」ボタンを押下してリソースを作成します。
2-f. Azure AI services | Azure OpenAIのリソースを作成
Azure AI services | Azure OpenAIは、Azureクラウドプラットフォーム上で提供されるAIおよび機械学習のサービスです。カスタムAIモデルの構築、プリビルトAIモデルの利用、データ分析、自然言語処理、画像認識などの機能を提供します。
1) 上部にある検索欄より「Azure Open AI」を入力し検索。リソース作成画面に遷移します。
2) 左側の「+作成」をクリックしてリソースを作成します。
3) 次にAzure OpenAIサービスにアクセスの申請をします。
a. 申請済みの場合には 5) へ進んでください。
4) 以下申請フォームのページが表示されます。必要項目を入力し、申請します。
1. 問題なければ数時間で承認され、メールが届きます。
5) 承認されるとAzure OpenAIのリソースが作成できるようになります。
a. リソースグループ、リージョン、命名等はご自身の要件に応じて変更し
「次へ」を押下してください。
b. ネットワーク・タグはそのまま「次へ」を押下してください。
c. レビューおよび送信画面で内容を確認し「作成」ボタンを押下してください。
6) リソースの作成が完了したら、以下ののページから「探索」ボタンを押してAzure Open AIサービスのデプロイを行います。
7) 今までのリソース作成のページとは異なるページが表示されますのでこちらから
「Azure Open AI Service」のデプロイを行います。
a. 「新しいデプロイの作成」を押下します。
8) 「gpt-35-turbo -16k」「text-embedding-ada-002」のモデルをデプロイします。
a. デプロイ名はモデルと同じ名前にしています。
※ベースモデルは「gpt-35-turbo」「gpt-35-turbo -16k」「text-embedding-ada-002」の
3つがあります(各特長を簡単に記載いたします)
・gpt-35-turbo:一般的にテキスト生成や理解に使用されることが多いです
・gpt-35-turbo-16k:「gpt-35-turbo」と比べ、コンテキスト長が4倍+関数呼び出し機能が追加
・text-embedding-ada-002:テキストや画像などの情報を数値化するための手法が使われています。
テキストをベクトル化して、類似度比較や検索エンジン向けのテキストプロセスにも役立ちます
9) 確認
a. 次の画像のようにデプロイされていればリソースの準備編は完了です。
次回
次回はアプリ構築編です。アプリの処理の流れなどを解説します。
「Azure OpenAI サービス」 応用シリーズ