このシリーズでは、Dynamics 365 Sales の概要および設定方法について、次の3回に分けて説明します。
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【第2回】Dynamics 365 Sales -Outlook 連携・Teams 連携-(※ 本記事)
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【第3回】Dynamics 365 Sales -Excel テンプレートの作成と管理-
第1回で、Dynamics 365 Sales とはどういったものなのかと、実際に皆さんの環境下で触れるよう展開するための手順をご紹介いたしました。
第2回では、展開した Dynamics 365 Sales と Outlook や、Teams と連携することで得られるメリットとその手順についてご説明いたします。
目次
1. Dynamics 365 Sales で Outlook 連携、Teams 連携するメリット
1. Dynamics 365 Sales で Outlook 連携、Teams 連携するメリット
第1回の繰り返しにはなりますが Dynamics 365 Sales とは、顧客情報の管理や商談管理、営業活動の管理などの SFA(営業支援システム)の基本機能を備えた Microsoft 社のサービスとなっています。
この記事を読んでいる方の中には、普段の業務で Outlook や Teams を使って顧客と連絡する方も多くいらっしゃるかと思いますが、同じ Microsoft 社製の製品として親和性が高く、相乗効果でより利便性を高めることが出来ます。
Dynamics 365 Sales と Outlook を連携するメリットの一例
- 登録した案件情報と顧客とのメールの内容を紐づけて、タイムラインで時系列順に確認するなど一元管理できる。
- メールを送信する際に、Outlook 上からでも顧客の基本情報や現在の対応状況を確認出来るため効率アップできる。
- 予定表に登録した会議や打ち合わせの時間が Dynamics に自動連携されることで、各営業担当が Dynamics 上で活動情報を登録する手間や漏れを省ける。
Dynamics 365 Sales と Teams を連携するメリットの一例
- Teams から離れることなく Dynamis 365 Sales が利用可能、逆に Dynamics 上から Teams のチャット連絡も可能なため、余計な画面遷移などの手間が必要なくなる。
- 案件に紐づいたチャットを保存できるため、過去に協議した内容などを履歴で遡って探す手間が省ける。
では実際に、それぞれの連携手順をご説明いたします。
2. Outlook の連携手順
1. Dynamics 365 Sales アプリを開き、画面右上にある「歯車マーク」>「詳細設定」を選択します。
2. 画面左上の「設定」から「電子メールアクセス構成」を選択します。
3.「メールボックス」を選択します。
4. 該当のユーザーのチェックボックスにチェックをいれ、画面上の「電子メールの承認」を選択します。※画像内では既に成功しているものになります。
5. OK を押します。
6. 再度該当ユーザーのチェックボックスにチェックを入れ、画面上の「アクセス構成のテストとメールボックスの有効化」を選択します。※画面上は「メールボックスのテスト...」となっています。
7. ラジオボタンはそのままで、OK を選択します。
8. 下記画像のように、成功が並んでいれば完了です。
9. 再度、画面左上の「詳細」を開き、「Dynamics 365 App for Outlook」を選択します。
10. 必要なユーザーにチェックをつけて保存を押下します。
※下記画像では既に「Outlook 追加済み」となっていますが、追加前の場合はステータスが「Outlook に未追加」となっており、「保存」を押すと「保留中」、その後しばらくすると「Outlook に追加済み」になります。
11. 続いては、Outlookアプリ側の設定に移ります。
Outlookを開き、画面右上の「歯車マーク」>「Outlookのすべての設定を表示」を選択します。
12.「メール」>「アクションのカスタマイズ」>「Dynamics 365」の順で選択し、「保存」を押下します。
13. 同様に、「予定表」>「アクションのカスタマイズ」>「Dynamics 365」の順で選択し、「保存」を押下します。
14. 下記画像のように、「メール」、「予定表」のそれぞれで Dynamics 365 ボタンが表示されます。これで連携手順は完了です。
<メール>
<予定表>
3. Outlook 連携後の操作
・メールを Dynamics 365 Sales に登録している案件と紐づける
1. Dynamics 365 ボタンを押下すると、Dynamics 用のサイトバーが表示されます。
最初は「追跡対象外」となっていますが、「関連の設定」から関連する Dynamics 365 Sales のリードや案件のデータと紐づけます。
※レコードの検索時に、「レコードの新規作成」を選択することで、Outlook 上からメールと連携した新規の Dynamics 365 Sales のレコードを作成することも可能です。
2. 実データを確認しに行くと、タイムライン上にやり取りが記録されるようになっています。
一度紐づければ、以後このメールのやり取りは自動的にタイムラインに記録されます。
3. また、届いたメールをタイムライン上で確認するだけでなく Dynamics 365 Sales 画面上から、メールの返信を行うことも可能です。
・予定表を Dynamics 365 Sales に登録している案件と紐づける、Dynamics 365 Sales 上の予定表と連携する。
1. Dynamics 365 ボタンを押下すると、Dynamics 用のサイトバーが表示されます。
最初は「追跡対象外」となっていますが、「関連の設定」から関連する Dynamics 365 Sales のリードや案件のデータと紐づけます。
2. Dynamics 365 Sales 上の予定表を確認すると、先ほど登録した予定が反映されています。
3. データを連携したことにより、新たに手動で登録をすることなく「○○の案件でいつ、どういう内容で何時間の会議をした」という実績を簡単なステップで登録することが可能です。
4. Teams の連携手順
1. Dynamics365 Sales アプリを開き、画面左下にある を選択し、「アプリの設定」を選択します。
2. Microsoft Teams コラボレーションの「設定の編集」を押下するとサイドバーメニューが表示されます。
それぞれの設定をオンにして、「適用」を選択します。これで連携設定は完了です。
5. Teams 連携後の操作
・Dynamics 365 Sales に登録しているレコードと Teams を紐づけて共同作業を可能にする。
1. Dynamics 365 Sales の画面から、Temas に紐づけたいレコードを開き「共同作業」を選択します。
2.「始める」を選択します。
3. Teams の画面に遷移するので、「開く」の右隣りにあるドロップダウンボタンを選択すると、どこに Dynamics 365 Sales の画面を追加するかの選択が出来ます。
4.「チームに追加」を選択すると、既存のチームに Dynamics 365 Sales の画面を埋め込むことが出来ます。
追加したいチームを選択し、設定を押下します。
5. どのレコードをチームに追加するかを選択し、保存を押下します。
6. 選択したレコードのタブがチームに追加され、これでチーム内のメンバーと共同編集することが可能になります。
7.「チャットに追加する」を選択した場合は、追加したいチャットを選択したのち、上述同様の流れでタブを追加できます。
8.「会議に追加する」を選択した場合は、追加したい会議を選択したのち、上述同様の流れで会議詳細画面にタブが追加されます。
・案件に紐づいたチャットを保存することで、過去に協議した内容などを履歴で遡って探す手間が省ける。
1. Dynamics 365 Sales の画面右上にある マークを選択します。
すると、サイドバーメニューが表示され、自身のチャットが一覧で表示されます。
もし既に関連する内容をチャットでやり取りしている場合は、該当のチャットを「その他のチャット」から選択します。
これから新しくチャットグループを作成する場合は、「新しいリンクされたチャット」を選択し、新しいチャットを作成します。
2. これにより、Teams のチャットとレコードを紐づけることが出来ました。
Dynamics 365 Sales上からチャットのやり取りも可能になり、過去に協議した内容などを履歴で遡って探す手間が省けるようになります。
まとめ
今回は、Dynamics 365 Sales と Outlook、Teams の連携をご紹介いたしました。
このように、同じ Microsoft 製品との連携でより便利により効率化していくことが出来るのが他の SFA 製品と違った Dynamics 365 のメリットです。
次回
次回は、Excelと連携することでデータを可視化する「Excelテンプレート」の機能についてご紹介いたします。
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