【重要】
Azure Cognitive Service Face APIは、2022年6月21日から新規ユーザーは利用不可、既存ユーザーは2023年6月30日までにサービス利用を中止する必要があります。 |
今回のサービス廃止・制限については、ビジネス上のネガティブな理由ではなく、より信頼できるAIを開発・運営するためにHuman-CentricなAIを責任あるAIの6原則(公平性、信頼性と安全性、プライバシーとセキュリティ、透明性、説明責任)に遵守した形で進めるために下された改定及び、制限・廃止判断となります。
【マイクロソフト社 公開情報】
[更新情報] Responsible AI investments and safeguards for Facial Recognition
公開日: 7月 15, 2022
https://azure.microsoft.com/ja-jp/updates/facelimitedaccess/
■廃止されるサービス
①Azure Cognitive Services | Face API: 感情、性別、年齢、笑顔、顔の毛、髪型、化粧を認識する機能のサポート機能の廃止
感情状態や性別、年齢、笑顔、顔の毛、髪型、化粧などのアイデンティティ属性を推測する顔分析機能は廃止する予定です。特に感情分類の場合、プライバシー、「感情」の定義に関するコンセンサスの欠如、ユースケース、地域、人口統計にわたって顔の表情と感情状態の関連性を一般化することができないといった重要な問題が提起された結果、本機能がAPIで利用すると、ステレオタイプや差別、不当なサービスの拒否など、悪用される可能性が広がります。
これらのリスクを軽減するため、感情状態、性別、年齢、笑顔、顔の毛、髪型、化粧を推測するような汎用的なシステムをサポートしないことが確定されます。
2022年6月21日から新規のお客様は利用できなくなり、既存のお客様は、2023年6月30日までに、これらの属性の使用を中止する必要があります。尚、障害者向け技術のサポートに引き続き取り組んでおり、Seeing AIなどのアプリケーションにこれらの機能を統合することで引き続きサポートされます。
②Azure Cognitive Services | Face API選択リージョン: 米国中北部のAzure リージョンからの廃止
2022年6月21日以降、Face API は米国中北部の Azure リージョンから廃止されます。米国中北部リージョンに Face API リソースがデプロイされている場合は、2023年6月21日までに別のAzure リージョンへの移行が必須となりリソースにアクセスできなくなる可能性があるため、移行は2022年6月21 日より行っていただく必要があります。移行のガイダンスはこちらをご参照いただきますが、この移行API自体も、2023年6 月21日に停止される見込みです。
■利用制限がかかるサービス
同上の責任あるAIの改定により、個人を識別・認識できるVision/Speech serviceにおいて継続利用について、一部制限が施され、継続利用には申請が必要になります。以下の制限付きアクセスサービスには事前申請が必要であり、Microsoft が管理するお客様とパートナーのみがアクセスの対象となります。これらのサービスの利用は、登録時にお客様またはパートナーが選択した使用目的に限定されます。制限付きアクセス(=申請が必要な)サービスは次のとおりです。
- Face API: 顔の識別と検証機能のみ
- Azure Video Indexer: 有名人の認識と顔の識別機能のみ
- Computer Vision: 有名人の認識と顔の識別機能のみ
- Custom Neural Voice: Pro機能のみ
- Speaker Recognition: すべての機能
制限付きアクセスの詳細と利用申請の方法は、下記のURLをご参照ください。
Cognitive Services の制限付きアクセス機能
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/cognitive-services/cognitive-services-limited-access
■FAQ
- Azure Cognitive Service Face APIはいつ廃止になりますか?
2022年6月21日から新規ユーザーは利用不可、既存ユーザーは2023年6月30日までにサービス利用を中止する必要があります。個人を識別するサービスの代替えはAI倫理リスク・セキュリティの観点でも現時点では提示されておりません。
- 制限付きサービスのアクセスポリシーはいつからですか?
この制限付きアクセスポリシーは、2022年6月21日より有効となります。
- 制限付きサービスを使用している既存のお客様やパートナーはいつまでに申請する必要がありますか?
既存のお客様およびパートナーは、2023年6月30日までに制限付きアクセスのサービスおよび機能を引き続き使用するには、その日以降もこれらのサービスへのアクセスを維持するには、申請して承認を受ける必要があります。
申請処理には10日間かかる点はご注意ください。
■Responsible AI Standard(ガイドライン)の改定
同発表において、責任あるAIのガイドライン・規定をまとめたResponsible AI Standardの改訂版のPDFが公開されており、変更点については以下サイトをご確認ください。
■責任あるAIリソースサイト
https://www.microsoft.com/ja-jp/ai/responsible-ai?activetab=pivot1:primaryr6
■関連情報
[Blog] Responsible AI investments and safeguards for facial recognition
Posted on June 21, 2022
https://azure.microsoft.com/en-us/blog/responsible-ai-investments-and-safeguards-for-facial-recognition/
[参考情報]
Microsoft’s framework for building AI systems responsibly
Jun 21, 2022
https://blogs.microsoft.com/on-the-issues/2022/06/21/microsofts-framework-for-building-ai-systems-responsibly/
[更新日]
Update:202207