概要
Microsoftより、Azure Virtual MachinesのTrusted Launchで使用される仮想TPM(vTPM)に関連する以下の脆弱性について、セキュリティ更新を適用するための案内が公開されています。
CVE-2026-6726:TPM 2.0 Improper Object Slot Reuse
CVE-2026-6727:TPM 2.0 RSA OAEP Timing Side-Channel Vulnerability
MicrosoftはAzure基盤側にセキュリティ更新を展開済みですが、
対象となるVMでは更新を有効にするために再起動が必要です。
すべてのAzure VMが対象となるものではありません。以下の対象条件をご確認ください。
Q1. どのAzure VMが対象ですか?
次の両方に該当するAzure VMが対象です。
セキュリティの種類として「Trusted Launch」が設定されている
2026年8月6日以降に再起動されていない
2026年8月6日以降に新規作成されたVM、または同日以降に再起動済みのVMについては、追加の再起動は不要です。
セキュリティの種類が「Standard」と表示されているVMは、本通知の対象外です。
Q2. Trusted Launchとは何ですか?
Trusted Launchは、Azure Generation 2 VMの起動時のセキュリティを強化する機能です。
主に以下の機能を組み合わせ、ブートキット、ルートキットなどの低レベルな攻撃からVMを保護します。
- Secure Boot
- 仮想Trusted Platform Module(vTPM)
- 起動整合性の監視
詳細については、以下のMicrosoft Learnをご参照ください。
Trusted Launch for Azure virtual machines
Q3. 自分のVMがTrusted Launchかどうかは、どこで確認できますか?
Azure Portalで以下の手順により確認できます。
- Azure Portalにサインインします。
- 「Virtual Machines」を開きます。
- 確認するVMを選択します。
- VMの「概要」または「プロパティ」を開きます。
- 「セキュリティの種類」を確認します。
「Trusted Launch」と表示されている場合は、本通知の対象となる可能性があります。
Azure Service Healthに該当するSecurity Advisoryが表示されている場合は、次の画面から影響を受けるリソースを確認してください。
Service Health → Security Advisories → 該当する通知 → Impacted Resources
Security Advisoryの詳細および影響を受けるリソースの表示には、Azure上の適切な権限が必要となる場合があります。
Azure Security Advisoryの影響リソース確認方法
Q4. 複数のVMからTrusted Launch VMを確認する方法はありますか?
Azure Portalの「Resource Graph Explorer」で、以下のクエリを実行すると、参照権限を持つ範囲のTrusted Launch VMを一覧表示できます。
Resources
| where type =~ "microsoft.compute/virtualmachines"
| extend SecurityType = tostring(properties.securityProfile.securityType)
| where SecurityType =~ "TrustedLaunch"
| project
subscriptionId,
resourceGroup,
name,
location,
OSType = tostring(properties.storageProfile.osDisk.osType),
CreatedTime = todatetime(properties.timeCreated),
PowerState = tostring(properties.extended.instanceView.powerState.displayStatus)
| order by subscriptionId asc, resourceGroup asc, name asc
このクエリはTrusted Launch VMの抽出に使用するものです。ゲストOS内で実施された最後の再起動日時までは確認できない場合があります。
Q5. VMの最終起動日時を確認する方法を教えてください。
VMにログインし、以下のコマンドで最終起動日時を確認できます。
Windowsの場合
PowerShellで以下を実行します。
(Get-CimInstance Win32_OperatingSystem).LastBootUpTime
Linuxの場合
以下のいずれかを実行します。
uptime -s
または、
who -b
2026年8月6日以降に起動していることを確認できた場合、追加の再起動は不要です。
再起動日時を確認できない場合、Microsoftのセキュリティ更新を確実に適用するため、業務影響を考慮したうえで再起動することを推奨します。
Q6. どのようにVMを再起動すればよいですか?
Azure Portal、Azure PowerShell、Azure CLI、REST API、またはゲストOS内から再起動できます。
Azure Portalから再起動する場合
- Azure Portalで「Virtual Machines」を開きます。
- 対象VMを選択します。
- 「概要」画面で「再起動」を選択します。
- 確認画面で再起動を実行します。
Azure PowerShellを使用する場合
Restart-AzVM ` -ResourceGroupName "<リソースグループ名>" ` -Name "<VM名>"
Azure CLIを使用する場合
az vm restart \ --resource-group "<リソースグループ名>" \ --name "<VM名>"
通常は強制再起動オプションを使用する必要はありません。強制再起動は、VMが応答しない場合などに限ってご検討ください。
Q7. ゲストOSからの再起動でも対応できますか?
はい。Microsoftの案内では、ゲストOS内からの通常の再起動も有効な方法として記載されています。
Windowsの場合
Restart-Computer
または、
shutdown /r /t 0
Linuxの場合
sudo reboot
または、
sudo shutdown -r now
Q8. OSの自動更新だけで対応できますか?
いいえ。
今回のセキュリティ更新はAzure基盤側に展開されていますが、対象VMで更新を有効にするためにはVMの再起動が必要です。
OSの自動更新機能だけでは、今回必要となる再起動が自動的に実施されない場合があります。
Q9. VMの再デプロイや再作成は必要ですか?
必要ありません。
本通知への対応として、以下の作業は不要です。
- VMの再デプロイ
- VMの再作成
- VMのサイズ変更
- Trusted Launch設定の変更
- アプリケーション設定の変更
- その他の構成変更
対象VMの通常の再起動のみ実施してください。
Q10. 再起動によるサービス停止は発生しますか?
はい。VMの再起動中は、VM上で稼働しているOS、アプリケーションおよびサービスが一時的に停止します。
本番環境では、事前に以下をご確認ください。
- 業務への影響
- アプリケーションの停止・起動手順
- データベースや他システムとの依存関係
- 冗長構成およびフェイルオーバーの状態
- バックアップの取得状況
- 作業後の確認担当者
複数台による冗長構成の場合は、原則として一台ずつ再起動し、正常性を確認してから次のVMを再起動してください。
単一構成のVMでは、再起動中にサービス停止が発生するため、メンテナンス時間帯での実施をご検討ください。
Q11. 再起動後に何を確認すればよいですか?
以下の項目をご確認ください。
- Azure Portal上でVMが「実行中」と表示されている
- RDPまたはSSHでVMに接続できる
- ゲストOSの最終起動日時が更新されている
- OS上の必要なサービスが起動している
- 業務アプリケーションが正常に利用できる
- Azure Resource Healthに異常が表示されていない
Q12. 対応期限はありますか?
Microsoftの通知には明確な期限は記載されていませんが、「運用上可能な限り早期に再起動すること」が推奨されています。
対象VMであることを確認した場合は、業務影響を考慮し、直近のメンテナンス時間帯で再起動してください。
Q13. 通知メールを受信していない場合も確認が必要ですか?
通知メールを受信していないことだけをもって、対象外とは判断できません。
Azure PortalのService Healthおよび各VMのセキュリティの種類をご確認ください。
ただし、以下のいずれかに該当することが確認できる場合、本通知への対応は不要です。
- Trusted Launchを使用していない
- 対象となるTrusted Launch VMが存在しない
- 2026年8月6日以降にVMを新規作成している
- 2026年8月6日以降にVMを再起動している
Q14. 対象かどうか判断できない場合はどうすればよいですか?
弊社サポート窓口へお問い合わせください。
お問い合わせの際は、可能な範囲で以下の情報をご提示ください。
- Azureテナント名またはテナントID
- サブスクリプションID
- リソースグループ名
- VM名
- VMのリージョン
- セキュリティの種類
- OSの種類およびバージョン
- 最終起動日時
- Azure Service Health通知のTracking ID
- エラーが発生している場合は、エラー内容および画面キャプチャ
関連情報
- Trusted Launch for Azure virtual machines
- Azure CLI:az vm restart
- Azure PowerShell:Restart-AzVM
- REST API:Virtual Machines - Restart
- Azure Service Health
- CVE-2026-6726 Advisory
- CVE-2026-6727 Advisory
免責事項
本FAQは、Microsoftから公開された情報に基づいて作成しています。Microsoftの案内内容は更新される可能性があるため、最新情報についてはAzure PortalのService HealthおよびMicrosoft公式ドキュメントをご確認ください。