[Q]
Azure Storage の冗長性を LRS から ZRS へ変更したいのですが、ダウンタイムや Storage への負荷によるレスポンス低下などの注意点があれば教えてください。
[A]
Azure Storage の冗長性の変更には "変換" と "手動移行" の方法があります。
"変換" は、ストレージ アカウントのゾーン冗長の側面を変更するプロセスですので、Azure portal でストレージ アカウントがレプリケート(複製)される場合、サービスは自動的に停止されないため、ダウンタイムが発生することはありません。
一方、"手動移行" ではアプリケーションのダウンタイムが発生することがあります。
また、移行処理に伴い、ストレージアカウントのI/O負荷が増加することにより、稀に応答速度が一時的に低下する可能性があります。移行時間はデータ量と関連していますので、低トラフィックの時間帯に移行作業をご実施いただくことをお勧めいたします。
冗長性の変更に関する詳細と、Azure portal、PowerShell または Azure CLI での冗長構成の変更については、下記参考情報をご参照ください。
[参考情報]
ストレージ アカウントがレプリケートされる方法を変更する
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/common/redundancy-migration?tabs=portal#change-the-redundancy-configuration-using-azure-portal-powershell-or-azure-cli
<抜粋>
...
レプリケーション設定を変更するには、次の 3 つの方法があります。
- セカンダリ リージョンへの geo レプリケーションまたは読み取りアクセスを追加または削除します。
- 変換を実行して、ゾーン冗長を追加または削除します。
- 最初の 2 つのオプションがサポートされていないシナリオで手動移行を実行するか、特定の期間内で変更が完了するようにします。
geo 冗長と読み取りアクセスは同時に変更できます。 ただし、ゾーン冗長も伴う変更には変換が必要であり、2 段階のプロセスを使用して個別に実行する必要があります。 これらの 2 つの手順は、任意の順序で実行できます。
...
Azure portal、PowerShell、または Azure CLI を使用して冗長構成を変更する
変換を実行する
冗長の "変換" とは、ストレージ アカウントのゾーン冗長の側面を変更するプロセスです。
変換中、データの損失は発生せず、アプリケーションのダウンタイムは必要ありません。
変換を開始するには、次の 2 つの方法があります。
- 顧客が開始
- サポート側で開始
...
手動移行
手動の移行は、変換よりも高い柔軟性を備えています。 特定の日付までにデータを移動する必要がある場合、または変換がシナリオでサポートされていない場合は、このオプションを使用できます。 手動移行は、ストレージ アカウントを別のリージョンに移動する場合にも役立ちます。 詳細については、「Azure ストレージ アカウントを別のリージョンに移動する」をご覧ください。
以下の場合には手動の移行を実行する必要があります。
- ストレージ アカウントを別のリージョンに移行する必要があります。
- ストレージ アカウントは、BLOB またはブロック BLOB アカウントです。
- ストレージ アカウントのアーカイブ ストレージ層にデータが含まれており、データのリハイドレートは望ましくありません。
ⓘ 重要
手動の移行ではアプリケーションのダウンタイムが発生することがあります。 アプリケーションが高可用性を必要とする場合、Microsoft は変換のオプションも提供します。 変換は、ダウンタイムが発生しないインプレース移行です。
...
Azure Storage の冗長性
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/common/storage-redundancy
[更新日]
Update:202410